エセ医療パトロール①「医者が飲まないクスリ」
今回からシリーズ「エセ医療パトロール」を始めます。ネットや週刊誌にはびこる怪しい情報が果たしてエセ医療なのかどうか、科学的根拠に基づいてメスを入れていきます。
最初のテーマは「医者が飲まないクスリ」というタイトルで主に週刊誌などで定期的に特集されている内容です。「医者がしない〇〇」などは週刊誌、YouTubeなどで色々と煽りタイトルでよく見かけます。
まぁ、そもそも言いたいのは医者が必ずしも健康的ではなく、運動不足の人もいますし、大酒家もいますし、喫煙者もいます。
最近は、呼吸器専門医など喫煙していると取れない資格はあります(参考文献 1)が、医者がしているから健康、していないから不健康というものでもなかったりします。
今回は「医者が飲まないクスリ」って本当?について科学的根拠に基づいて説明していきます。
この記事でわかること
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最も大切なことはなにか
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「危険なクスリ」は本当か?
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クスリを減らそうという事は大切
最も大切なことはなにか
それは、「飲んでいる薬を勝手にやめない」です。とにかくそれにつきます。
テレビや週刊誌のいい加減な情報を信じてしまい、薬を勝手にやめて血糖値や血圧が上がってしまったばかりか、それによって心筋梗塞や脳梗塞を起こしてしまうような事があっても、テレビや週刊誌は助けてくれません。
確かに薬のせいで体が具合を悪くしてしまう事はあります。しかし、体が悪くなった原因が薬のせいかどうかは十分考えないといけません。また、糖尿病や高血圧症などのような病気の場合、薬をやめただけでは血糖値や血圧が上がってしまうため、薬をやめるのではなく他の薬へ変えるということが殆どです。
実際、急に血糖値が上がっていて、よく聞くと週刊誌に載っていた「飲んではいけないクスリ」のリストに自分の飲んでいた薬が入っていたので、怖くなって飲むのをやめたと言うような話はよくあります。
そういった場合にも予めおっしゃっていただければ、不安を払拭することもできますし、血糖値や血圧などに異常をきたすことなく、処方を変えることもできます。ですので、とにかく「飲んでる薬を勝手にやめない」、「不安があれば主治医に相談する」というのがとても大切です。
また、このような情報にはメリットとデメリットを天秤にかけるという視点が欠如していることが多いです。
薬には頻繁に起きる副作用、めったにしか起きない副作用がありますが、それらデメリットと薬を飲む事によるメリットを比較して薬は処方されます。もちろん、メリットが殆どない薬の場合はデメリットが有るのであれば薬を飲まないもしくは薬をやめることは考えるべきです。しかし、そのメリットというのは個人個人で大きく異なりますのでその判断は処方した主治医に委ねられます。
この原則を無視して、デメリットのみを強調すればそれは怖くなるのは当然ですね。そういった事も踏まえて、お薬を飲まれている人は、なぜ、その薬を飲んでいるのかについて把握しておくのが良いと思います。そして、繰り返しますが、お薬の事で不安があれば、主治医か薬剤師に相談しましょう。