CGM戦国時代
今回はCGM(Continuous Glucose Monitoring:持続血糖測定)についてのお話です。
CGMの歴史から最新のトレンドまでを解説します。
CGMが生まれる前には
まず、私が医師になった頃はにはCGMはありませんでした。そもそも現在血糖コントロールの指標の標準であるHbA1cも診断基準として使われるようになったのは1999年でして、比較的最近のできごとです(参考文献 1)。それまでは血糖コントロールには血糖値のみが指標として使われていたため、患者さんは受診する前日はできるだけ食事を取らないようにしてコントロールをよく見せていたと聞いています。
さて、対して自己血糖測定といってインスリンの自己注射をしている方が病院ではなく、自宅で血糖値を測る手段については日本では1981年に保険適応となっているため、HbA1cよりも歴史は古いです。
この自分で血糖値を測るという事は非常に重要です。そもそも血糖値が上がったり下がったりは殆どの場合、体感することができません。しかし、リアルタイムに自分の血糖値を知ることで自分の行動を振り返り、次の行動に生かすことができます。
血糖値の測り方としては下の動画のような感じです。
自宅で簡単に血糖値を測れるのは便利なのですが、たくさんの問題点があります。
まず、当然ですが痛いです。指を針で指すわけですから当然です。そして、血が出ますので色んなところを汚してしまう可能性があります。診察でも血糖値を記載するノートが血まみれの人、しばしば見られます。
また、その一点の血糖値しかわかりません。
これは私が書いた1日4回測定した時の血糖値の記録のイメージです。これだけ測るのもすごく大変だと思うのですが、残念ですが、この4点以上の事はわかりません。たとえば、朝とお昼の間や、夜間寝ている間の事は不明です。下の図はイメージですが、1日4回測ると下の図のようになったします。
でも、実際は血糖値はこのように動いていた場合、他の時間の動きは血糖値を測るだけで把握するのは難しいです。
実際、私が診ていた患者さんでも1日6回とか8回とか測って血糖値をコントロールしていた患者さんがいました。たしかに血糖値はすごく良かったですが、それに伴う痛みは計り知れません。
そうして生まれるCGM
そういった問題を解決するべく、自動的にかつ経時的に血糖値を測定する器械としてCGMが開発されました。